旨いものを喰おう

喰いましょう。さぁ。

第三者に発信される指示を聞きながら食らう飯

「新規!」ではじまる、怒号とまでは言わないまでもかなり攻撃的なオーダー通知がインカムを通じて発せられる。此処は何処だ?駅前にオープンしたての餃の子の王の将のカウンターだ。俺は注文した餃の子の定の食を食いながら店内に響き渡るアナウンスを聞きながら思う。

 

此処は飯を食うにあたり快適な場所だろうか?否・・・"指導"、"命令"、"催促"、"確認"のつまった声が拡声器を通じて店内に流れる。俺はこの場所で飯を食うために日々汗水垂らして働いているのだろうか?許されざる場所で俺は酢を皿に?

 

別にいいんだ。彼らが悪いわけじゃない。俺が食卓に求める理想と外食産業の構造的欠陥が生み出した小さな小さな落胆さ。気にするこたぁないさ。この場所が俺のすべてではない。個の場所が俺の居場所ではない・・・そう思いながら食う餃子、味は悪くない。複雑な思いを胸に店内を後にする・・・